- ほくろを除去したいけど、ほくろの検査ってどんな種類があるの?
- ダーモスコピー検査ってどんなことするの?
- ほくろの病理検査ってどんなことするの?
ほくろ除去をした際に、ほくろが皮膚がんかどうか診断するために「ダーモスコピー検査」と「病理検査」を受けました。これらの検査を実体験をもとに紹介します。
ほくろの検査には、主に以下のの検査があります。
- ダーモスコピー検査
- 病理検査
- 画像診断(CT、MRIを使用)
ここでは、筆者が体験した、ダーモスコピー検査と、病理検査にフォーカスを当てます。
ダーモスコピー検査は、ダーモスコープという拡大鏡を使い、ほくろが良性か悪性の診断を行います。
病理検査は、ダーモスコピー検査で皮膚がんの疑いがあった場合や、特徴的な形や大きさのほくろの場合に、ほくろ細胞を切り取り、顕微鏡などでほくろ細胞に異常がないか詳しく検査を行います。
この記事では、ダーモスコピー検査と病理検査の比較と、それぞれの検査の詳しい特徴を紹介します。
【ほくろ検査】ダーモスコピーと病理検査の特徴を徹底比較
筆者は、くり抜き法でほくろを除去した際に、ダーモスコピー検査と病理査の両方を行いました。
それぞれの検査には特徴があり、検査の方法や体への負担、費用も違います。筆者の実体験と医師から受けた説明などをもとに、ダーモスコピーと病理検査の特徴を比較しました。
ふたつの検査を比較する目的は、それぞれの検査がどのような検査なのか把握しやすくする為に、まとめています。検査の優劣をつけるのが目的ではありません。
ダーモスコピー検査 | 病理検査 | |
---|---|---|
体への負担 | 無し | 有り |
コスト | 数百円 | 10,000円〜(ほくろの大きさによって変動) |
時間 | 数分 | 結果が出るまで2週間 |
診断結果 | おおよそ正確 ※判断が難しいこともある | 正確・詳細 |
体への負担を比較
検査をするときに、体に負担がかかるどうか紹介します。
ダーモスコピー検査は、体への負担はありません
ダーモスコピー検査は、ダーモスコープという特殊なスコープ(拡大鏡)をほくろに当てて、ほくろを観察します。その為、皮膚を切開したり、ほくろを切除することはありません。
病理検査では、体への負担があります
病理検査は、ほくろの細胞を顕微鏡で詳しく調べるために、ほくろをメスなどで切除する必要があります。そのため皮膚が傷つきます。ほくろを切除する際は、局部麻酔をするため、痛みはありません。
コストの比較
それぞれの検査料がどのくらいかかるの紹介します。
ダーモスコピー検査の検査料は、数百円
検査料と初診料で1,000円ほどで受けられます。筆者がダーモスコピーを受けた際は、初診料と合わせて1,080円でした。
ちなみに、ダーモスコピー検査の保険点数は、72点でした。
病理検査の検査料+ほくろ切除料で、約10,000円
検査料と、ほくろの切除するための施術料や局部麻酔代なども含まれます。ほくろの大きさによって、ほくろ切除料が変動することがあります。大きいほくろのほうが、メスを入れる範囲が大きくなるので、その分高くなります。
筆者が病理検査をした際には、ほくろの切除料を含めて、9,430円でした。
ちなみに病理検査の保険点数は、1010点でした。
検査にかかる時間の比較
それぞれの検査にかかる時間と、検査結果が出るまでの時間を紹介します。
ダーモスコピー検査は、数分で終わる
ダーモスコピーの検査は、ダーモスコープでほくろを観察するだけなので、検査時間は数分です。また、検査結果は、その場で教えてもらえます。
病理検査は、検査結果が出るまで2週間
病理検査するための、ほくろの切除術は、5分〜10分ほどです。検査結果が出るまで2週間ほどかかります。
診断結果の比較
それぞれの検査結果について紹介しています。
ダーモスコピー検査は、おおよそ正確
ダーモスコピー検査は、ダーモスコープを使い、肉眼では見えない、ほくろの色素構造を観察します。ただし、細胞レベルの検査ではないので、色や形だけで、判断が難しい場合や、より詳しく検査する必要がある場合は、病理検査を行います。
病理検査は、細胞レベルで精密な検査ができる
病理検査は、切除したほくろ細胞を顕微鏡で詳しく観察します。
細胞レベルで検査できるため、ダーモスコピー検査よりも、より詳細で正確な判断ができます。
ダーモスコピー検査の特徴を詳しく紹介します!
ダーモスコピー検査は、ダーモスコープという専用のスコープを使って、ほくろや皮膚の状態を詳しく調べるための検査です。
この検査では、良性のほくろか、ほくろの癌なのか判断できます。ほくろの形や色だけでは、判断が難しい場合は、より詳細な結果がわかる病理検査を行います。
ダーモスコピー検査のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
体への負担はない 短時間で検査可能 費用は数百円と安い | 良性・悪性の判断が難しいことがある |
ダーモスコピー検査の3つのメリットを深堀り
ここでは、ダーモスコピー検査の3つメリットを紹介します。
メリット1:体への負担はない
ほくろや皮膚を切除・切開することなく検査できるので、体への負担はありません。また、検査自体に痛みもありません。
メリット2:短時間で検査可能
ダーモスコピー検査は、数分で終わります。また、検査結果は、その場で教えてもらえます。検査結果を聞く為に、再診する必要はありません。
メリット3:費用が安い
検査料は、数百円です。
ほくろの切除や麻酔を必要とせず、また、CTスキャンのような大掛かりな設備を利用しないので、安価に検査が可能です。
ダーモスコピー検査のデメリットを深堀り
ここでは、ダーモスコピー検査のデメリットを紹介します。
デメリット:良性・悪性の判断が難しいことがある
ダーモスコピー検査では、細胞レベルでの詳細な診断はできません。
その為、ほくろの色や形が一般的で一見良性にみえるほくろでは、診断が難しい場合があります。その際は、細胞レベルでより詳しい診断ができる病理検査を行います。
どうやって検査するの?
ダーモスコピー検査は、ダーモスコープという光源のついた特殊なスコープ(拡大鏡)を使って行います。
ダーモスコープは、皮膚・ほくろの表面にある凸凹によって起こる光の乱反射(余分な光)を軽減し、肉眼では見えないほくろの色素構造を観察し、良性のほくろか、悪性の病気の可能性があるのか推測することができます。
ダーモスコープは2種類ある
- 接触式ダーモスコープ
- 非接触式ダーモスコープ
①接触式ダーモスコープ
接触式ダーモスコープ、ほくろに透明なジェルを塗り、ダーモスコープとほくろを密着させます。
ダーモスコープとほくろを密着させることで、ほくろの表面を平にします。
平らになったことで乱反射がなくなり、ほくろの色素構造がはっきりと観察できるようになります。
②非接触式ダーモスコープ
非接触式ダーモスコープは、偏光フィルターによって、ほくろの表面におこる乱反射を遮断し、ほくろの色素構造を観察できます。
そのため、接触式ダーモスコープのように、ほくろにダーモスコープを密着させずに検査ができます。
筆者の体験談 – ダーモスコピー検査
筆者がダーモスコピー検査をしたほくろは、隆起した7mmくらいのほくろです。
7mmと大きなほくろだったので、このほくろを除去したいと思い、初回のカウンセリング時に、ダーモスコピー検査をしました。
筆者が受けた、ダーモスコピー検査のステップ
- 検査するほくろを確認
- ほくろがいつから発症したかなどの問診
- 検査するほくろにジェルを塗る
- ダーモスコープをほくろに当てる
- 医師がダーモスコープを覗いてほくろを観察
- 観察は、約数十秒で終了
- ジェルを拭う
- 検査結果を教えてもらう
検査時間は数十秒
医師がダーモスコープを覗いている時間は、数十秒だっと思います。想像していたよりも簡単な検査だったので、拍子抜けしました。
ダーモスコープの大きさは、PCのマウスほどです。検査したほくろは口元にあったので、ダーモスコープをほくろに当てられたときには、圧迫感がありました。
検査結果もその場で教えてもらうことができました。
費用について
初診料と検査料で1,080円でした。検査費用が安くて驚きました。
検査結果
良性のほくろと診断されました。しかし、直径が7mmと大きく、また隆起したほくろだったので、念の為、病理検査をすることになりました。
ダーモスコピー検査を行っていない皮膚科もある
ダーモスコピー検査を希望する際は、受診するクリニックに確認してみてください。
ほくろの病理検査の特徴を詳しく紹介します!
ここでは、ほくろの病理検査の特徴について、詳しく説明していきます。
病理検査のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
診断が正確・詳細 | 体に負担がかかる 検査結果が出るのに2週間ほどかかる 費用がかかる |
病理検査のメリットを深堀り
ここでは、病理検査のメリットを紹介します。
メリット1:診断が正確・詳細
切除したほくろ細胞を顕微鏡で詳しく調べるので、良性・悪性の診断が正確です。
良性の場合は、細胞がどのような組織構造になっているのかわかります。悪性の場合は、どのような癌なのかわかります。
病理検査の3つのデメリットを深堀り
ここでは、病理検査の3つのデメリットを紹介します。
デメリット1:体に負担がかかる
病理検査は、ほくろの細胞を顕微鏡で詳しく調べるために、ほくろをメスで切除する必要があります。そのため、ほくろを切除した皮膚は傷つきます。ほくろの大きさや切除方法によりますが、傷が回復するのに、6ヶ月〜1年ほどかかりことがあります。
デメリット2:検査結果が出るのに2週間ほどかかる
切除したほくろを、病理検査を行っている機関に出し検査を行う為、検査結果がでるまで、2週間ほどかかります。より詳細な検査が必要な場合は、3〜4週間かかることもあるようです。
デメリット3:費用がかかる
ほくろ細胞の切除術と病理検査料を合わせて、1万円ほどです。
ほくろの施術料は、ほくろの大きさによって変動することがあります。大きなほくろだと、切開する範囲が広くなるので、費用が高くなります。
どうやって検査するの?
病理検査では、検査するほくろをメスなどで切除し、ほくろ細胞を顕微鏡などで詳しく調べ、ほくろに異常な細胞が無いか診断します。
ほくろを切除する際は、麻酔をかけるので、痛みはありません。
切除後は、傷が回復するまでに、6ヶ月〜12ヶ月ほどかかります。(切除するほくろの大きさや、切除方法によって異なります。)
どんなほくろを病理検査するの?
以下のような場合に、病理検査を行うことがあります。
- ダーモスコピー検査で異常がみられた場合
- ダーモスコピー検査やCTやエコーなどの画像診断だけでは、診断が難しい場合
- 特徴的な形・色のほくろの良性・悪性を正確に診断する場合
※クリニックによって基準は違うので、受診されるクリニックにご確認ください。
病理検査は、どのような手順で行われるの
病理検査がどのような手順で行われるのか紹介します。
- 病理検査をするほくろについて問診
- ほくろ切除についての注意点・リスクについての説明を受ける
- ほくろ切除の日程を決める
- 切除するほくろを最終確認
- 局部麻酔の注射
- 検査する対象のほくろをメスやトレパンなどで切除・摘出
- 傷のケア(傷に軟膏を塗り、保護テープを貼る)
- 切除したほくろは、病院から病理検査を行う機関に送られる
- 再診して、病理検査の結果について説明を受ける
筆者の体験談 – ほくろの病理検査
筆者が病理検査をしたのは、隆起した直径が約7mmのほくろです。
大きいほくろだったので、皮膚がんの恐れがあると思い、ほくろを除去する際に病理検査をしたいと思っていました。
費用について
ほくろ切除術+病理検査合わせて、9,430円でした。
ほくろを切除した際の傷の経過観察のため、ほくろ除去から半年間に5回ほど診察を受けました。
その分の費用は、別途かかりました。
切除方法について
ほくろの切除する方法には、くり抜き法が選択されました。
医師の判断で、直径が7mmほどであれば、くり抜き法が適しているとのことでした。
くり抜き法は、ほくろに沿ってメスを入れ、ほくろをくり抜く方法です。
施術の時間は、局部麻酔が効く時間も含めて、10分ほどで終わりました。局部麻酔が効いていたので、施術中は痛みもありませんでした。
傷について
ほくろを切除した直後は、傷は深く陥没していました。しかし、痛みも出血もありませんでした。
傷が平らになるまで、2ヶ月ほどかかりました。
また、傷は、炎症性色素沈着が起こりました。
術後は、傷跡が鮮明に赤くなり、濃い赤 → 茶色 → 薄茶と変化していきました。炎症性色素沈着が落ち着くまでに、6ヶ月ほどかかりました。
病理検査の結果
良性のほくろでした。