- ほくろの病理検査で何がわかるの?
- ほくろの病理検査するのに注意するべきことは?
- ほくろを病理検査に出すには、どんな方法でほくろを切除するの?
隆起した直径が約7mmのほくろを除去しました。皮膚がんの心配をして、ほくろを病理検査に出しました。そのときの実体験をもとに、ほくろの病理検査について紹介します。
ほくろの病理検査でわかることは、主に以下の2つです。
- 良性、悪性の診断
- ほくろの種類、組織の形状
筆者は、ほくろの病理検査をしたことがなかったので、「病理検査で何がわかるの?」「どうやって病検査をするの?」と疑問でした。
この記事では、筆者が実際にほくろの病理検査をした、病理検査の報告書を公開して、以下について紹介していきます。
- ほくろの病理検査で分かること
- ほくろの病理検査をして注意すべきこと・良かったこと
- ほくろの病理検査を受けるために、どのような方法でほくろを切除するのか
ほくろの病理検査をするか悩んでいる方の参考になれば嬉しいです!
【実体験】ほくろの病理検査の報告書から分かること【報告書の写真あり】
導入でも書きましたが、病理検査でわかることは、主に以下の2つです。
- 良性、悪性の診断
- ほくろの種類、組織の形状
ここでは、筆者が病理検査をした報告書をもとに、上記の病理検査で分かることが、どのように表現されているのか、具体的に紹介します。
「ほくろの病理検査はどのような場合に行うか?」「どのようなステップで行うか?」など、病理検査の特徴は、以下の記事を参考にしてください。
ほくろの病理検査報告書に記載されてる項目
報告書に書かれている項目を紹介します。
検査結果に関わる項目
- 臓器
-
検査した臓器が何なのか記載
例)皮膚
- 病理組織検査結果
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検査した対象が何で、どこから、どうしたのか、が記載。
例)切除した、右腕にあったほくろを検査
- 病理組織所見
-
- どのように検査したのか記載
- 検査した対象の詳細情報(大きさ、組織の形状など)が 記載
- 良性・悪性の所見が記載
付随項目
- 受診・ほくろを採取したクリニック名、担当医名
- ほくろの採取日
- 病理検査の提出日
- 病理検査の受付日
- 病理検査の報告日
- ほくろの標本番号
- 検査を受ける患者の氏名、生年月日
- 病理検査を行った病理専門医の氏名
- 病理検査責任者の氏名
筆者の病理組織検査報告書を公開
ここでは、実際に筆者のほくろを病理検査した検査報告書の内容を紹介します。
報告書の内容
- 臓器
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皮膚
- 病理組織検査結果
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Intradermal nevus of the left upper lip skin, excision(左上口唇皮膚の皮内母斑、摘出術 )
- 病理組織所見
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左上口唇皮膚の隆起母斑(直径 ⌀ 7mm )のくり抜き:
検体は、8x7x4mm大の隆起性皮膚組織で、2分割標本作成(組織スライド1枚)皮膚真皮上層から深層に、均一な円形の核を持つ母斑細胞の小型胞巣状配列が見られ、母斑細胞母斑(nevocelluar nevus)、真皮内型(intradermal type)を示します。
深部方向に向かって索状配列への移行があり、神経系への分化傾向や核の小型化傾向を認めます。
切除断面;水平(側方)・垂直(深部)断端共に病変(+)です。悪性所見はありません。
ほくろの病理検査をして注意すべきこと・良かったこと【体験談】
ここでは、筆者が実体験から、病理検査をする際に注意すべきこと、病理検査をして良かったことを紹介します。
ほくろの病理検査をする際に注意すべきこと
ほくろの病理検査をして注意したほうが良いことを紹介します。
- ほくろを切除した傷が深く大きいと、経過観察のため通院することがある
注意すべきこと①:ほくろを切除した傷が深く大きいと、経過観察のため通院することがある
筆者の場合は、口もとにあった隆起した直径7mmのほくろを切除しました。ほくろを切除した傷の経過観察のために、約半年間で5回通院しました。
筆者は、ほくろ切除後から2週間後に病理検査の結果を聞きにいくだけで良い思っていました。通院する時間や費用のこと、などを考えたら、少し残念に感じました。
医師から説明された、経過観察が必要だった理由は以下の2つです。
- ほくろを切除した傷が深くなったため
- 口もとの傷は、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)に成りやすいため
経過観察が必要だった理由①:ほくろを切除した傷が深くなったため
ほくろを切除した傷が深くなってしまったので、経過観察が必要になりました。
傷が深くなった理由は、ほくろ細胞が真皮まで広がっていたため、真皮に在ったほくろ細胞を除去したためです。
経過観察が必要だった理由②:口もとの傷は、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)に成りやすいため
筆者が病理検査したほくろは口元にありました。口元は、額などと比べるとよく動く部位です。よく動く部位では、傷が肥厚性瘢痕になりやすいです。
肥厚性瘢痕は、その兆候の初期段階で処置すれば、改善できるので、経過観察をして、必要があれば、肥厚性瘢痕の処置をするとのことでした。
筆者が経過観察のため通院したタイミングは以下でした。
- ほくろの切除術から約2週間後
- ほくろの切除術から約1ヶ月後
- ほくろの切除術から約3ヶ月後
- ほくろの切除術から約5ヶ月後
- ほくろの切除術から約7ヶ月後(この時点で問題なければ、経過観察終了。もし肥厚性瘢痕の兆候があれば、継続)
ほくろの病理検査をして良かった2つのこと
ほくろの病理検査をして良かったことは、以下の2つです。
- ほくろが良性・悪性なのか、はっきりしたので、心がスッキリした
- ほくろの形状・種類が分かり、ほくろや皮膚に興味が湧き、皮膚のケアを行うようになった
良かったこと①:ほくろが良性・悪性なのか、はっきりしたので、心がスッキリした
病理検査をしたのは、口もとにあった隆起した直径7mmほどの大きめなほくろでした。
年々少しずつ大きくなっていたので、ほくろを除去することを考えるようになっていました。また、ほくろ除去のことを調べているうちに、大きなほくろは皮膚がんになる可能性があるという情報を目にして、皮膚がんの心配をしていました。
ほくろを病理検査してもらって、ほくろが良性・悪性がはっきりしました。筆者の場合は、幸いにも良性で、悪性(皮膚がん)ではないことがわかりました。
ほくろの良性・悪性がわかったことで、心が随分とスッキリしたのに驚きました。結果が良性であったということもありますが、「良性なの?悪性なの?」と結果がはっきりせず、モヤモヤ、ビクビクしながら過ごしていたことが、自分が思っていたよりも、ストレスになっていたことに気が付きました。
良かったこと②:ほくろの形状・種類が分かり、皮膚についての興味が湧き、皮膚のケアを行うようになった
検査の結果、筆者が病理検査したほくろは「真皮内型(intradermal type)」であると分かりました。このことで、ほくろには種類があることを知り、ほくろや皮膚について興味が湧いてきました。
真皮内型とは、ほくろ細胞が真皮(皮膚の深い場所)にあるタイプのほくろです。
そして、ほくろ細胞が真皮にあるということは、ほくろを除去しても、ほくろが再発するリスクが高いということを知りました。
また、盛り上がった大きなほくろは、真皮までほくろ細胞が在る傾向があるとのことです。
このことがはっきり分かったら「切除したほくろが再発しないようにアフターケアを確りしよう」と、皮膚のケアをする意識が生まれました。
病理検査が出来るほくろの切除方法を紹介
病理検査ができるほくろ切除方法は、メスを使ってほくろを除去する方法です。メスを使ってほくろを切除する方法は主に2種類あります。
メスを使ってほくろを切除する2つの方法
- くり抜き法
- 紡錘形切除法
1. くり抜き法
くり抜き法は、ほくろに沿ってメスを入れ、ほくろをくり抜きます。
ほくろに沿ってメスを入れるので、皮膚が傷つくのは最小限に留まりますまた、メスを使いますが、傷を縫合することはりません。
7mmくらいまでの、比較的大きいほくろを切除するのに選択されることが多いです。
2. 紡錘形切除法
紡錘切除法は、メスでほくろの周りを紡錘形に切開し、ほくろを除去します。その後、真皮縫合します。
ほくろの周りの健康な皮膚も切開することになります。
7mm以上の大きなほくろを切除するときに選択されることが多いです。
筆者は、くり抜き法でほくろを切除
筆者がほくろを病理検査した際には、くり抜き法でほくろを切除しました。
筆者が病理検査をしたほくろは、直径が7mmくらいで、口元にありました。
くり抜き法でほくろを切除した理由
医師の判断で、ほくろの大きさと、ほくろがあった場所から、くり抜き法が適しているとのことでした。
筆者が除去したほくろは7mmくらいだったので、大きさからするとくり抜き法が選ばれます。
また、ほくろが口元にあったので、傷が最小限にとどまることを考慮されました。
くり抜き法の費用は保険適用で約10,000円(直径7mmのほくろの場合)
筆者の場合は、ほくろの切除術+病理検査+軟膏薬代を合わせて、9,430円でした。
病理検査は、良性・悪性と組織の種類・形状がわかる検査
病理検査で分かることを軸に説明してきました。
最後に、改めてまとめます。
病理検査で主にわかることは、以下の2つです。
- 良性・悪性の診断
- ほくろの種類、組織の形状
そして、病理検査をする際には、メスでほくろを切除します。
注意しておくことは、
- 盛り上がった大きなほくろを切除すると、傷が深くなり、傷の回復に時間がかかる傾向がある
ということです。
ほくろの病理検査をするか悩んでいる方の参考になれば嬉しいです!